[Regimental-Standard] #108 ヤーリック:公式偉人伝

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〈帝国〉視点で40k世界を解説しているRegimental-Standardから、今回は偉大なる英雄の半生をご紹介。


Yarrick: The Authorised Biography

ヤーリック:公式偉人伝

傾注せよ、兵士諸君!

帝国防衛軍の強大さは偉大なる英雄たちをその礎としている。生ける伝説である彼らは皇帝陛下のご意思を実現し、銀河の隅々にまで正義をもたらしているのだ。今日のレジメンタル・スタンダードでは、そうしたうちの一人である“ハデス・ハイヴの英雄”セバスティアン・ヤーリックについて紹介しよう。

ヤーリックは生まれたばかりの頃から英雄たる者の片鱗を見せていた。多くの新生児が見るに堪えない臆病さをもって世界へと誕生し、〈人類の帝国〉に生まれ落ちるという類まれなる幸運を享受しているにもかかわらず、厚かましくも泣き喚く有様である。一方でヤーリックは生まれたその瞬間も一切音をたてることはなく、その代わりに双頭鷲の印を結んだのだ。あまりの忠誠心に、その場にいた看護スタッフたちは感涙を禁じ得なかったと言われている。

7歳の時、幸運にもヤーリックの両親は〈帝国〉の偉大なる利益のために二人とも殉死するに至る。これにより人間の生の儚さに対する健全な感覚を身に着けたヤーリックはその後、高等教導院にて育てられることとなった。

学生の中には不運にも、奉仕へと赴く前に数十年を要する者もいる。しかしヤーリックは若年のうちからグリーンスキンと戦うエキサイティングな機会を得ることができた(彼の惑星が侵略を受けたためだ)。そして彼は信念や機転、そして注意深く仕掛けた罠により、何体ものオルクを屠ったのである。教導院のあらゆる学生が渇望してやまない幸運だ!

ヤーリックの居た惑星は帝国防衛軍の勇敢なる働きによって解放され、ヤーリックの独創性に感銘を受けた軍はこの若き兵士を政治将校団の候補生として迎え入れた。そして候補生としての編入試験においてヤーリックは熱心さ、憎悪、異種族嫌悪、そして皇帝陛下への献身のいずれにおいても満点を叩き出したのである。

そうした高い技能により、ヤーリックは模範的な候補生となった。一方諸君の連隊の政治将校たちは名高き英雄であるヤーリックほどの優れた戦闘記録や技能スコアを有してはいないかもしれないが、しかしそれでも同等の経緯を持って扱われるべきである。

政治将校団でのキャリアを通じてヤーリックはいくつかの連隊に同行し、いくつもの戦役でオルクと戦った。彼にまつわる下品な風説は誤りであり、彼は決してこの卑しい異種族について学んだり、あるいはその言語を習得しようなどと試みることはなかった。異種族を理解しようなどという行いは当然ながら大逆へと繋がるものだからだ!

当時の惑星総督であったヘルマン・フォン・ストラブ*との間に些細な意見の相違が生じた後、両者の合意により、ヤーリックはその軍歴の後半をハデス・ハイヴ防衛の指揮に注力することとなった。

この賢明なる戦術的決定は、愚かなるオルクが惑星アルマゲドンへの侵攻を目論んだ際に報われることとなった。フォン・ストラブはこの惑星の防衛システムを意図的に崩壊させてオルクを油断させ、オルク軍を受け止めるための金床としてハデス・ハイヴを用いたのである。全てが失われようかというまさにその時、ダンテ司令率いるブラッドエンジェル戦団が救援に駆けつけたことで、〈帝国〉の完璧な計画と連携を前にオルク軍は壊滅したのである。

ハデス・ハイヴ包囲戦のさなか、帝国技術局はヤーリックのために、今や彼の象徴とも言える人工義肢を製造した。この義肢がオルクの司令官の死体から剥ぎ取られたものだという物語は、当然ながら馬鹿げた噂に過ぎないものだ。

惑星ゴルゴダにおける短い休暇の後、さらなるオルク侵略が差し迫っていることをその戦略眼によって完璧に見抜いたヤーリックは、惑星アルマゲドンへと帰還した。はたして彼が帝国教導院にていかなる訓練を行い、グリーンスキンの行動を完璧に予測できるようになったのかは定かではないが、しかしあらゆる帝国司令官にはこの能力が備わっているのである!

そして惑星アルマゲドンに対するオルクの第二次侵攻が始まった。以降の公式認定史については、適切なクリアランスを有している者のみ閲覧可能である。

以上だ、兵士諸君。彼はまさしく諸君ら全員の規範と言える! この歴史講義の仕上げとして、諸君の連隊はこれよりアルマゲドン戦役へと配備され、この地にて諸君はこの偉大なる英雄の足跡を文字通り辿ることとなるだろう。幸運を祈る!

本日の思索:苦難は、勤勉ならざる者に対する当然の報いである。


* フォン・ストラブは後に、多層都市防衛のための奮戦中にグリーンスキンによって捕らえられ、第13懲罰部隊による救出作戦のさなかに殉死した。


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