GW公式ブログを翻訳。 今回の内容は、シェイドスパイアのデッキ構築のためのヒント集です。
シェイドスパイア:デッキ構築入門
シェイドスパイアにおいてのデッキ・カスタマイズは、他のウォーハンマー系ゲームにおけるアーミー編成に等しい重要性を保つ。今回は、ライターにして熱烈なシェイドスパイア・プレイヤーでもあるルーリッドに、強力なデッキの構築法についてヒントを訊いてみよう。
ルー:シェイドスパイアのデッキを自分で組み立てるというのは、最初のうちは難しく感じられるかもしれない。しかし実際はアーミーリストを書くのとそれほど変わりはない。アーミーの場合にユニット編入のバランスを考えるのと同様、デッキの場合にもカードのバランスを考えてデッキを構築していくことになる。デッキ構築に「正解」というようなものは存在しないが、最初のデッキをより便利でパワフルに、そしてバランスの取れたものにするための大まかなポイントは確かに存在する(カスタムの余地は大いにあるけどね)。
重要な制限
- デッキに入れられる目標カードは12枚だけだ。これによって獲得栄誉点の理論的上限が決まってしまうため、カードは慎重に選択しよう。
- パワーデッキには20枚以上のカードを入れることになる。僕のオススメは20枚ピッタリに収めておくことだ。それ以上カードを入れても、結局引きたいカードを引ける確率が減るだけだからね。
- パワーデッキに入れられる策略カードは、デッキ枚数の半分以下でなければならない。オススメはどのデッキにも上限の10枚まで策略カードを入れることだ。策略は非常に便利であり、その場でゲームに大きな影響を与えることができるからね。
目標デッキは勝利の鍵を握っている。僕が目標デッキを構築する場合、以下の3つのステップに従うことで、どのようなウォーバンドが敵であっても、あるいはどのような状況に置かれていても、栄誉点を獲得できるようにしている。
ステップ1:簡単に達成できる目標
どんな目標デッキにも、序盤のターンに素早く栄誉点を獲得できる得点源が必要だ。これはウォーバンドに勢いを与え、ゲームに勝利するためには必須とも言える要素だ。目標デッキのうち少なくとも半数は、こうした低得点ながらも簡単に達成できる目標カードで構成するべきだろう。
ちょっとしたヒント:「ただちに達成される」カード
ターンの途中で栄誉点を獲得できるこれらのカードは、ゲーム中でももっとも便利な目標カードに分類される。これらを使用すれば、序盤のうちに自軍のファイターを強化でき、ゲームの主導権を握る事ができるだろう。さらにひとたび達成してしまえば、さらなる目標カードを引くこともでき、これによって目標デッキをより早く掘り進むことが可能となるのだ。
稲妻の如き一撃
〈シグマーの嵐〉はその衝撃によって不信心者を粉砕する。味方ファイターの突撃アクションによって敵ファイター1体を戦闘不能にした時、ただちにこの目標は達成される。
血の神にさらなる血を!
ブラッドリーヴァーは細かい戦術など気にかけない。彼らが用いるのは圧倒的な勢いで繰り出される野蛮な暴力である。このフェイズにおいて3体以上の味方ファイターが突撃アクションを行なったならば、ただちにこの目標は達成される。
『目標物Xを確保せよ』系のカードも僕はデッキに入れているよ。これらはあまりエキサイティングなカードとはいえないけど、堅実な得点源として強化レースで的に追いつくための役に立ってくれる。
ステップ2:とっておきの目標
次に、君はきっとデッキのプレイスタイルに応じた大量得点可能な目標を入れたいと思うはずだ。『撃滅』や『コーン神の筆頭戦士』といったこれらのカードは、君を圧倒的な優位に導くだけでなく、ファイター数の多いウォーバンド、例えばガレクの略奪団や墳墓の護り手などにとっては生命線ともなりうる。これらのウォーバンドはしばしばファイターを倒した際に得られる栄誉点の面で敵に差をつけられてしまうことになるからだ。
撃滅
シェイドスパイアにおいて死は日常に等しく、この殺戮などは苦痛の大海に投じられた一粒の水滴にすぎない。終了フェイズ時、敵ファイターが全員戦闘不能となっているならば、この目標は達成される。
[3/4]2個以上のウォーバンドが全滅しているならば
コーン神の代理戦士
弱者は斃れ、真の強者のみが生き残った。
これこそまさにコーン紙の御意志なり。第3ラウンドの終了フェイズ時、自軍側ファイター1体を除く全てのファイターが戦闘不能となっているならば、この目標は達成される。
ステップ3:挽回のための目標
最後に、デッキに2枚か3枚ほど、挽回のための目標カードを入れておくといいだろう。『征服』『死を恐れず』『コーン神は問わず』といったこれらのカードは不利な戦局でも達成が可能であり、むしろ負けかかっているときのほうが達成は簡単だろう。こういうのも念のために入れておこう。
征服
「希望はまだ失われておらぬ。
諦めぬ限り、勝利の可能性は残されているのだ」第3ラウンドの終了フェイズ時、生存している味方ファイターの全員が相手側テリトリー内にいるならば、この目標は達成される。
[3/4]対戦相手のうちの1人のテリトリー内
死を恐れず
1粒の種からでも守が生まれうるように、1つの死せる魂から数多くの死が咲き誇ることもあるだろう。第3ラウンドの終了フェイズ時、戦場に残っている味方ファイターが1体だけであるならば、この目標は達成される。
コーン神は問わず
コーン神が流血の出所を問うことはない。終了フェイズ時、5体以上のファイターが戦闘不能となっているならば、この目標は達成される。
[3]7体以上
[4]9体以上
ちょっとしたヒント:目標カードのドロー
シェイドスパイアにおいては、命令の一種として、目標カードを1枚破棄し、代わりにデッキから1枚ドローすることができる。これを用いることで、不利な局面に置かれているウォーバンドも得失点差をある程度詰められたり、場合によっては引き分けや勝利を掴み取ることも可能なのだ! 注意すべきは、ゲームの終盤まで降参はしないほうがいいということだ。たとえ自分のウォーバンドが全滅していたとしても、命令をデッキの探索に費やすことで挽回のための目標を手札に引き寄せられるかもしれないからだ。
パワーデッキはウォーバンドのプレイの方向性を決定する。目標カードが「何のために」プレイするのかを規定するのだとすれば、パワーカードが規定するのは「どのように」プレイするかである。パワーカードは君が敵を倒すための助けとなるツールであると同時に、目標カードを達成するための戦術を規定するものでもあるのだ、繰り返しになるが、パワーデッキは20枚以上のカードで構成され、その半分を超えて策略カードを入れることはできない。残りの半分は強化カードでなければならないのだ。そして1つのデッキに同種のカードを2枚以上入れることはできない。
強化カード
一般的に、強化カードには2種類の目的が存在する。
1 – 強いファイターをさらに強化し、ウォーバンドの勢いを強める。
2 – 弱いファイターの戦力を補い、強いファイターがやられたとしても戦えるようにする。
弱いファイターに対する強化カードを無視して、お気に入りのファイター1体に山ほど強化カードを載せるというのは、なかなか魅力的な誘惑ではある。だがこの罠に陥らないようにしよう。『悪辣なる刃』のようなカードを用いることでアーヌルフは単体でも恐るべき戦力と化し、敵はウォーバンドの戦力をアーヌルフにも割かねばならなくなるはずだ。この法則の例外は墳墓の護り手だ。彼らには復活ルールがあるため、1体のファイターを極限まで強化することが可能である。たとえそのファイターがやられてしまっても、その眠りは決して長いものとはならないだろう。
策略カード
10枚の策略カードをどのように選ぶかについては無限のやり方がある。なのでここではあくまで一般論を述べるに留めるが、しかしマイルールとして、策略をデッキに入れる前には以下の3個の質問を自らに課すようにしている。
- この策略は自分のプレイスタイルに合っているだろうか? 敵を迎え討つプレイスタイルのウォーバンドが機動力を高めるカードを取っても仕方ない。
- この策略はいつ使うものだろうか? 状況が限定されたリアクション・カードをデッキに入れる際は用心せよ。そしてもし入れるならば、これらのカードを発動できるような状況を生み出せるよう準備する必要がある。
- この策略は序盤から終盤まで有効だろうか? 第3ラウンドにお目当てのファイターが生き残っている保証はないということに注意しよう。そういう意味では、不利な状況で活躍するカードは、有利な状況で活躍するカードと同じぐらい重要である。
ちょっとしたヒント:回り込み、混乱、撹乱
ファイターの位置を変えるカードは非常に重要であり、少なくとも『回り込み』はどのデッキにも入れておくことを強くオススメする。アイアンジョウやストームキャスト・エターナルのようにファイター数の少ないウォーバンドの場合、命令回数を余すところなくファイターに振り分けるためには、行動不能になる突撃アクションよりも、以降も行動可能な攻撃アクションを行いたいはずだ。そのためには何らかの別の手段で敵に近づく(あるいは敵を引き寄せる)必要が出てくるだろう。一方で、コーン・ブラッドバウンドやデスラトルの場合、敵を取り囲んで援護を用いることが重要になる。寄り集まった敵集団から重要な敵ファイターを引き離して孤立させる上でもこれらの策略は役立つはずだ。
回り込み
弱点を突くために必要なのは、素早い足運びだ。味方ファイターを1体選択し、そのファイターを1ヘックス押し出す。
混乱
敵を当惑させるに越したことはない。互いに隣接している2体のファイターを選択し、それらの位置を入れ替える。
撹乱
敵を混乱させ浮足立たせることこそ、勝利の鉄則である。敵ファイターを1体選択し、そのファイターを1ヘックス押し出す。
目標のような策略
アイアンスカルの野郎どもや墳墓の護り手のブースターデッキには、栄誉点を獲得できる効果を持った面白い策略が存在する。『白昼堂々の盗み』『予期』『死体漁り』と言ったこれらのカードは非常に強力であり、特に『白昼堂々の盗み』は敵の勢いを削ぐことができるという点で僕のお気に入りだ。注意すべきは、これらのカードはウォーバンドや盤面の状況に直接影響を与えるものではないため、積極的に攻めていくデッキに入れるのはリスキーかもしれないということだ。
白昼堂々の盗み
「さっきまで確かにここにあったんだ!」攻撃ダイスを1個ロールする。出目が[ハンマー]あるいは[クリティカル]であったなら、対戦相手の未使用の栄誉点を1ポイント奪うことができる。
予期
「全てお見通しだ」アクションフェイズの最後の命令が終わった後にこのカードを使用できる。目標カードの名前を宣言し、続く終了フェイズで対戦相手がその目標カードを達成した場合、プレイヤーは1ポイントの栄誉点を得る。
死体漁り
「よシ、よシ、死体を探レ、おタカラを見ツけろ」
——“信頼半ばの”クルルクリアクション:味方ファイターの攻撃アクションが完了した後、かつその攻撃アクションが、強化カードが使用された敵ファイターを戦闘不能にしていた場合に、このカードを発動できる。追加で1ポイントの栄誉点を獲得する。
ドロー策略
カードをドローできる策略というのも興味深い選択肢だ。いい面を見るならば、パワーデッキの掘り進みをより確実なものとし、お目当ての強力なカードを引き当てられる確率を上げるという点で、パワーデッキの信頼性を高める効果があるとも言えるだろう。しかし一方で、他のカードをドローするようなカードばかり入れていてもウォーバンドに直接の有利をもたらすわけではない。個人的には『頭脳戦』のカードは信頼できるドロー手段としてほとんどのデッキに入れているね。
頭脳戦
「確かに奴は賢いのだろう。
だがこれしきのことで俺が奴の内臓を抉りだすのを止められはしない」
——マゴア・レッドハンドリアクション:対戦相手が策略カードを発動した時に発動できる。パワーカードを2枚引く。
カードの引き直し
開始時の引き直しを行うかどうかを考える時は情を捨てることが重要だ。非常に獲得点の高い目標カードや強力な強化カードが最初の手札に来た時は、心臓が引き裂かれそうなぐらい名残惜しくなるはずだ。しかしシャイドスパイアでは序盤こそがカギを握る。一般的な指針として、開始手札の2/3以上が最初のラウンドで発動不可能なものである場合、引き直しを行うこと。これによってゲーム中で獲得可能な栄誉点の上限は減ってしまうかもしれないが、それでもデッキを正しく構築していれば、次のドローではすぐに効果を発揮できるカードを引くことができるはずだ。
策略を発動すべきか、せざるべきか?
人によって意見は異なるが、僕の個人的な意見としては、策略や強化は可能なタイミングですぐに発動したほうがよい。各ラウンドの終了時にどうせ手札は補充されるのだから、カードをいつまでも手元においておくメリットは少ないし、デッキ全体を掘り進んで手当たり次第にカードを発動したほうが、完璧なタイミングで数枚のカードを発動するよりも強いことが多い。
最初に行ったように、デッキの構築に手っ取り早い正解というものはない、そして上記のアドバイスに従うことと同じぐらい、自ら実験を繰り返して目標や策略、強化カードの組み合わせを模索してほしいと思っている。シャイドスパイアの楽しみの1つとして、1回のゲームの短さゆえに様々なデッキを試行錯誤できるということがある。コミュニティのみんながどんなデッキを組み上げてくるのか楽しみだし、Blood & Gloryにてそんなデッキと戦えれば最高だ!
独自のデッキを組み立てたくなってきたかい? ならシェイドスパイアのコアセットを早速予約してみよう! もし君がさらなるヒントや裏技を知りたいと思っているなら、凄腕プレイヤーとゲームデザイナーにデッキ構築のアドバイスを訊いたこのインタビュー動画を見てくれ。