「シーズン・オヴ・ウォー」イントロダクション

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7/14より開催されるキャンペーン「シーズン・オヴ・ウォー」に先立ち、AoSアプリにてその背景設定が無料公開されていたため翻訳してみました。

AoSは右も左も分からないので誤訳等ありましたらご指摘いただけると助かります。


蘇りしオーダーの軍勢

<領域門戦争>は激しい嵐とともに始まり、炎と流血によって終わる。

オーダー、デストラクション、デスの同盟は多くの偉大なる戦いを勝ち抜いたものの、いまだ数の上では劣勢であり、さらに分断されていた。アーケイオンと<禍つ神々>はあらゆる前線において優位を保つため次元を架橋する秘具エイトポイントを用いて<全なる門>から戦士、モンスター、そしてディーモンの軍勢を定命の領域へと終わることなく注ぎ込み続けていた。

諸領域を取り戻そうとするあらゆる試みが失敗に終わったことをシグマーは悟った。その代わりとしてシグマーは<全なる門>を一度に打ち倒すための無謀とさえ言える計画を仕組むことにした。続いて起きた戦いは巨大にして恐るべきもので、巨体を誇る定命の領域の神獣たちさえもが加わり、この時代を代表する英雄たちが互いにぶつかり合い、その衝撃に大空もが震えた。オーダーの同盟軍はいくつかの門においては押し返されたものの、勝利を収めることにも成功したのだった。復活せし女神アラリエルに率いられたシルヴァネスとストームキャストの大軍勢が生命の領域たるガイランの<起源の門>を閉じ、これによってグューランにおけるナーグル神の敗北を決定的なものにした。

変化と統合の新たな時代が始まった。定命の領域の全てにわたって、オーダーの軍勢は新たな目的とともに動き出した。ストームキャスト・エターナルは聳え立つような<嵐の城塞>を築いて重要な領域門を監視した。信徒の隊列は渾沌に汚された荒野へと移り、自らの祝福されし血液にて土地を浄化していた。アイアンウェルドの工廠や神秘学院の魔術師たちは大規模な建設作業の監督にあたっていた。緩やかではあるものの確実に、定命の領域における最初の新たなるオーダーの都市が築かれようとしていた。

双尾の都市

領域門戦争の後にオーダーの軍勢によって築かれた都市の中でも、<双尾の都市>ハンマーハル以上に素晴らしい物は存在しなかった。これらシグマーの都市――いつしかそう呼ばれるようになった――のほとんどは要塞化された領域門を囲むように建設され、当初はストームキャスト・エターナルの各戦士団によって支配されていた。こうした都市にとっても彼ら不死なる英雄たちの名前を戴くという栄誉に預かれるものは決して多くない。ハンマーハルの名は、絢爛かつ血塗られた戦争の末にストームリフト領域門を支配したハンマー・オヴ・シグマーにちなんで名付けられた。領域門より長きに渡って野蛮なる民族移動を続けてきたオールクの巨大な部族をシグマーの戦士たちがこの戦いによって粉砕したのだ。アキュシーとグューランの双方に跨るポータルの周囲1リーグにおいてグリーンスキンたちは粛清された。グリーンスキンの部族領域の灰の中からストームキャストが最初に礎を築き、それが後に壮大を極めた都市へと発展していったのだ。

ハンマーハルが<双尾の都市>と呼ばれるのは、あらゆる意味や目的において実際に2つの集落が1つのものとして治められているからである。この都市は領域門の双方、すなわち炎の領域のアッシュランド、生命の領域のヴァーディア翡翠王国の両方にまたがって広がっているのだ。ハンマーハル・アキュサーは荒々しく、かつ重度に武装した拠点であり、吹き荒れる熱風の中で無数の軍旗がはためいている。ハンマーハル・アクサーにそびえ建つ城塞や砲列の中ではアイアンウェルド工廠が強い存在感を放ち続けている。シグマーを篤く進行する鞭打ち行者たちが都市周辺の荒野を浄化し続けているとしても、実際にバチバチと音を立てるライトニング・シールドを維持し、この移動要塞を進ませることでハンマーハルの境界を広げ続けているのはかの天才たちなのだ。ハンマーハル・ギューラは逆にアエルフ種とその他の自由人による要塞である。生命の領域において攻撃的とさえ言えるほどに繁茂する自然を押し返すため、都市のこちら側はハンマーハル・アキュサーから溶岩を引いている。注意深く刻まれた堀を通じてこの溶岩は流し込まれ、都市の天高くそびえ建つ尖塔や黄金のドームを守るための防壁として働くのだ。その代わりにハンマーフェル・ギューラからは安定した食料供給が送られ、生命の都市の終わりなき豊穣によってアキュサー側地区の住人を養っているのである。

アズィルヘイム最高の人材より選ばれた枢機卿たちによって統治され、12のストームキャスト戦士団を含む無数の軍隊によって護られているハンマーハルは、シグマーの都市のなかでも精神的な首都であり、最大の威容を誇っていた。

希望の種子

獣の領域における天啓に満ちた都市エクセルシスから、金属の領域の火山都市ヴィンディカルムに至るまで、オーダーの都市群は膨大かつ多様であった。多くは建設より数十年を経ており、当初の要塞キャンプから賑やかな文明の中心地へとゆっくり成長していった。なかでも3つの都市は他よりはるかに素早く成長していったが、この都市はその成長に反して<希望の種子>と呼ばれていた。

生命の領域では、戦争の季節が激しさを増すのに伴い、起源の門における勝利につづいてオーダーの軍勢は素早く果敢な要塞建設を進めていた。領域の大部分は尊父ナーグルの腐った御手の下で腐敗を続けていたが、輝ける樹の女王が悪疫の軍勢を毎日のように押し返したことによって秩序の軍勢は自信を取り戻した。

最初の<希望の種子>を打ち立てたのはアラリエルその人であった。ティリアの翡翠王国においてかの<久遠の女王>はモービドゥス族を破り、<虚ろなる森>より彼らを一掃した。かつては見渡すかぎり人類未踏な植物の海であったこの地も、ペスティレン諸部族によって木々の根をかじられ、乾燥と死を迎えようとしていた。<久遠の女王>はこの地に生命を取り戻し、彼女の清浄なるエネルギーがニレの枯れ木の外皮や揺れるヤナギを通じ溢れだしたのだ。森が再生する中で、アラリエルは自然魔法の力を通じて巨大な都市を作り上げた。彼女の歌声が高く軽快に鳴り響くにつれ、鉄樫と岩盤がからみ合って強大な堡塁が現れ、トゲの散りばめられた茨や歌で生成された鉄から塔や要塞が生み出された。14の昼と夜にわたって、アラリエルの仕事によって大地は震え、森は揺り動かされた。最終的に、莫大な大きさを持つ新たな都市が<虚ろなる森>を見張る巨大要塞の上にそびえ立つこととなった。アラリエルは自分の子供達がこのように閉鎖的な場所を守るにはあまりにも移り気であるということを知っていた。その代わりとして彼女は定命の同盟者たちにこの安全地帯を提供し、その代わりとしてエヴァークイーンの素晴らしき森を守る役割を依頼したのだ。植物と石で構成されたこの都市を恐れるものもいたが、多くはアラリエルの申し出を受け入れ、この<生ける都市>の番人となったのだ。

新たなる力

第二の<希望の種子>ほど先程のものよりかけ離れたものはないだろう。先見の明を持つ建築家ヴァリウス・マリティに率いられた職人と労働者の一団は<悪疫の沼>という名の領域門を通じて灰水岬へと向かい、渾沌の軍勢に対抗するための要塞を建設し始めた。アンヴィル・オヴ・ヘルデンハンマー、エルダリッチ評議会の魔術、そしてフリーギルド軍の諸連隊に守られ、作業は本格的に進められた。定命の諸領域に満ちたむき出しの魔力はいつしか融合し、総じて領域石と呼ばれる物質へと変化した。アキュシーでは怒りの結晶化した青く熱いプリズムが見つかる一方、ハイシュでは啓蒙の力を持つ幾何学的な形の鉱石が、そしてグューランでは活力をもたらす渦巻状の翡翠がきらめいていた。あらゆる領域石は不安定かつ危険であるという点で共通していた。この危険な結晶体がエネルギー源として利用可能であるという発想に初めて至ったのがかのヴァリウス・マリティである。職人たちの天才性、アエルフの妖術師が持つ果てしない叡智、そしてアイアンウェルドの技術者の実用的技術が組み合わさり、ギューランの領域石が神秘の機械へと結び付けられるという歴史的偉業が灰水峠にてなされたのだ。

突如として、オーダーの軍勢は自らが必要とするエネルギー、あるいはそれ以上のものを得た。彼らの陣地を脅かしていた沼グロットの部族はバチバチと音を立てて動く戦闘機械によって追い散らされた。沼の水は数日のうちに干拓され、地面は堅焼き粘土へと焼き上げられた。防壁が築かれ、塔は高くそびえ建った。木々は数百単位で切り倒され、この地域の資源が荒廃するのと引き換えに灰水砦は急速に発展していった。アラリエルの子らはこの略奪的とすら言える工業的発展を恐怖とともに見つめ、なかには悲しみと怒りを持ってかつての同盟者に襲いかかるものもいた。灰水砦はなおも発展を続け、頑強な壁に守られそびえ立つ要塞、唸りを上げる炉、妖術者の地区や陰鬱なる砲列を生み出し、地域全体を支配している。

取り戻されし廃墟

第三の<希望の種子>はフェニキウムであった。この都市が再生のシンボルとなる以前、フェニキウムはその起源を神話の時代にまで遡る広大な廃墟であった。古代的かつ謎に満ちたこの廃墟は樹木で出来たアルボレア山の麓に位置し、街の構造物は奇妙な存在に取り憑かれており、山賊や流民の住処となっていた。渾沌による侵略の初期において、この名も無き廃墟では激しい戦いが繰り広げられ、恐るべき惨事がすべてを巻き込んだ。これが何らかの強大な呪文か、あるいは武器によってなされたものであるかどうかは定かではないが、アルボレア山の樹肌が切り開かれ、樹液の津波が溢れ出してきたのだ。樹液の津波は情け容赦なく廃墟に押し寄せ、琥珀で出来た氷河に廃墟全体が沈んでしまった。なのでこの名も無き城塞は、まるで太古の昆虫のように数百年に渡って保存された。このままナーグルの腐敗の力にもアラリエルの癒やしの魔法にも触れられぬまま永劫の時を過ごし続けるという未来もありえたかもしれない。しかしこの廃墟と化した都市の運命はそのようなものではなかった

この保存されし廃墟を発見したのは、<腐敗をもたらすもの>の軍勢を<夢失い>の領域門にて打ち破った不死鳥の寺院の聖別者であった。消耗しつつも勝利したかのアエルフたちは、目の前に広がる信じがたい光景に声も失って驚愕した。すると炎と氷の不死鳥が空へと舞い上がり、互いに咆哮しながら神秘的な空中舞踏を始めた。この魔法生物が空を行ったり来たりするたびに、魔術的な炎や渦巻く冷気が封印されし廃墟に舞い降りた。そして緩やかではあるが、信じがたいことに琥珀が溶け出し、美しい黄金の霧となって廃墟を包んだ。これには長い時間を要し、不死鳥たちも次第に疲労の極みへと追い込まれていったが、ついに名も無き廃墟はその姿を完全に現し、まっさらな状態でいま一度の支配を受け入れる準備が整ったのである。

アラリエルの子ら、シグマーのストームキャスト・エターナル、そしてアズィルの多くの人々の助けによって、不死鳥の寺院はこの名も無き年に再入植を果たし、長きに渡って彼らを苛んできた薄明の煉獄から再び立ち上がった。この都市もまた彼らの名をとってフェニキウムと名付けられた。廃墟の中心部や深きトンネル群は未だ多くの奇妙な秘密を抱えており、都市の境界線は魔術的な黄金の霧によって覆い隠されている。

戦争の季節

<希望の種子>が撒かれ、そのそれぞれが他とは大きく異なっているにもかかわらず、戦争の喧騒にてよって疲弊した生命の領域においてこの3つの都市はいずれも文明の数少ない拠り所であった。アズィルヘイムやその他の場所の人々にとって、次第にこれらの都市は<禍つ神々>の悪意に抗してオーダーの軍勢が成し得た功績の象徴とみなされるようになった。しかし<希望の種子>の設立においてシグマーとアラリエルは自らの能力を超えた働きをしてしまった。オーダーの都市のほとんどが、無数のストームキャスト・エターナルが監視する中で着実かつ注意深く建設されたのに対し、この3つの飛び地は息つく間もない速度で発展した。それぞれの都市は孤立し、互いの都市よりも別の領域のほうが近いとさえ思えるほどに離れていた。アズィルの領域門を通れば無理やり到達することも可能であるものの、都市の周囲はいまだ渾沌の手で汚染されており、無数の敵がひしめいていた。これら<希望の種子>の住人たちは、渾沌の従者たちを撃退するのみならず、他の軍勢に対しても日々戦い続けなければならない状態にあるということに気づきはじめた。

ナガッシュは生命の領域における戦争に興味を示し、進行中の紛争に対して密かに不死の軍勢を送り込んでいた。彼の下僕達は両軍に対して攻撃を行った。目的は謎に包まれており、やり口は無慈悲そのものだった。そして今、グューランに最初の秩序の都市群が勃興するのに伴い、かの不死の軍勢はそれらに向けて動き出した。果たしてこれらの死者が単純にナガッシュ――糸を断ち切った操り人形――の当初の命令に従って動いているのか、それともこの偉大なネクロマンサーが自ら攻撃を指揮しているのか、分かるものは誰もいない。

それと同時に、オールク、グロット、オゴール、ガルガント、そしてトロッゴスからなる莫大な軍勢がオーダーの軍勢の脆弱なる要塞に迫ってきていた。<生命の戦争>にて翡翠の王国の諸部族は大打撃を被ったにもかかわらず、数えきれないほどのグリーンスキンとその眷属が恐怖と不浄の中でなんとか生き続けていた。絶え間なき戦争と闘争を続けているにもかかわらず、彼らの多くは繁栄を謳歌し、ギューランにお宝があるという噂が広まるにつれて定命の他の領域からさらに多くの部族が日々惹き寄せられていった。正式な命令が何一つないにもかかわらず、そして明確な指揮官すら存在しないにもかかわらず、デストラクションの軍勢はまるで炎に惹き寄せられる虫のように<希望の種子>へと向かい、行く手に存在するあらゆるものに大喜びで戦いを挑んでいった。噂によるとかの強大なるゴルドラックまでもが獣の領域から生命の領域へと渡り、秩序の軍勢のあらたなる拠点をブチ壊そうとしているとのことである。

最も恐るべき脅威は、もちろん<禍つ神々>の崇拝者たちがもたらすものである。ナーグル神はかの都市の清浄さと目的が、これまでナーグル神がグューラン全土へと気前よく振りまいてきたエントロピーを損なうものであるとして激怒していた。彼の腐敗せし子らは速やかにその力を取り戻すと、ただれた軍旗と錆に覆われた鐘のもとで更なる戦争へと乗り出した。コーン神とスラーネッシュ神の崇拝者たちも同様に集まり、その一方で空からはティーンチ神のディーモンたちの空飛ぶ軍団がやってきていた。そして妖術師たちは隠された独自の目的によってこれら新しい都市を破壊し、略奪しようとしていた。

戦争の季節が猛威を振るい、オーダーの軍勢は新しく設立された文明の飛び地を守るために進軍を開始し、神々はこれらの都市を希望と嫌悪を持って見つめていた。<希望の種子>が何らかの形でさらなる繁栄を迎えるのか、あるいはかつての栄光を偲ばせる焼け焦げた残骸だけが残るのか、それは来るべき日々が決定するであろう。


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