[Regimental-Standard] #57 ジェンキンス二等兵の日常

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<帝国>視点で40k世界を解説しているRegimental-Standardから、今回は召集を受けた帝国防衛軍兵士の日常をご紹介。


A Day in the Life of Private Jenkins

ジェンキンス二等兵の日常

新兵諸君、気をつけ!

本日諸君は、帝国防衛軍兵士の栄誉ある生き様について学ぶこととなる。ジェンキンス二等兵は優れた兵士であると同時に、後進の諸君らにいくつかの貴重な助言を与えるべく数千人もの候補者の中から選ばれた*精鋭である。諸君ら新兵が単なる弾除けからアルマゲドンの守護者へと成長するにあたり、彼のアドバイスは必ずや一助となるはずだ。ジェンキンス二等兵はエピストル星系の出身であり、深い学識と、皇帝陛下に対する揺るぎなき信仰を抱いている。彼こそまさに諸君らすべてが模範とすべき存在であるといえよう。

日の出**
皇帝陛下に奉仕する新たな1日が始まった! 惑星サダルで我々のために用意された宿舎や野戦テントは明らかに不足しており、これに対して戦友の多くは腹を立てている。しかし僕は大空の下で寝るというまたとない機会を満喫した。2つの太陽が地平線から上り、その暖かな光で目覚めるというのは素晴らしい経験だった。目が覚めればそれはすなわち、今日も皇帝陛下の祝福を得られているということだ。昨晩の極寒で凍死しなかった幸運を思うたび顔に笑みが溢れる。残念ながら戦友の中にはそのような幸運に恵まれなかったものたちもいたが、彼らの姿を見るにつけ、朝の祈りをより一層誠実かつ注意深く行おうと決意を新たにした。

朝の祈り**
一張羅しか持っていないことがここまで有難かったことはない。靴紐の結びを簡単に確かめると(そういえば親父はこいつを「静かな殺し屋」って呼んでたっけ)、寝台から飛び起き、ドハーティ司祭が行う朝の祈りの最前列の席***に駆け込んだ。皇帝陛下のお言葉を忠実に護る彼らのような従僕が同行していることで、僕はこの連隊の一員であることにさらなる誇りを抱いている。ドハーティ氏は至って無私なる人物であり、この荒野で砂まみれになりながら我々と過ごすことを物ともしない。そのせいで師の従者たちが師の上等なローブを数時間かけて洗わねばならなくなると知っているにも関わらずである。噂によると、ドハーティ師は連隊の最前列という従軍司祭の栄誉ある定位置を固辞し、あえて後方に残ることで増援の兵たちに皇帝陛下のお言葉を伝え続けることを選んだのだという。栄誉を固辞してまで使命に邁進する彼こそ真の偉人に違いない。今日の説教は「殉死の美徳」についてだった。

部隊集結**
惑星セダルの部隊集結地点はキャンプ地から500マイル離れている。僕は歩いても構わなかったが、ホール大尉は僕たちを輸送車両で運ぶと強く主張した。今日は幸いにも後部座席に座ることができた。昨日は外側の手すりに掴まっていなければならなかったけど、あれはものすごい経験だった! あの日ウォーレンとハウズは運悪く、カーブを曲がった時に振り落とされてしまった。その時は後で追いついてくるかと思ったけど、すぐ後ろをついてきていた輸送車両に彼らはたちまち跳ね飛ばされてしまった。僕は双頭鷲の印章を手で形作り、彼らの無事を祈った。イェイツ医師は凄腕と評判で、今まで一人も死なせたことがないのだという。ウォーレンとハウズは昼前に野戦病院へ担ぎ込まれたに違いない。

装備点検**
帝国防衛軍に加わるまで、装備点検はもっと厳密な手荷物検査みたいなものだと思っていた。しかしタイ中尉は、我々の装備に幾つか不足があったとしても一向に気にしなかった。彼女のこうしたざっくばらんなやり方は気楽でありがたく、特に昨晩のサイコロ遊びでナイフや靴下、弾薬などを巻き上げられた兵士たちは大喜びだった。僕は恐る恐る、もう少し小さいサイズのヘルメットが無いかどうか中尉に伺った。彼女は歯の抜けた温かい笑みを浮かべ、心配は無用だ、成長すればお前の頭はすぐにヘルメットにピッタリのサイズまで大きくなる、と教えてくれた。素晴らしいニュースだ。なにしろ今のヘルメットは視界の大半を塞いでいるし、ちょっと油断するとすぐにずり落ちそうになるから。

朝食**
朝のレーションは最高だ。もっとも、二段ベットの相方であるスマイリーに言わせると、それは12時間ぶりのメシだからということらしい。でもそれは考えすぎだと思う。穀物ペーストと高栄養素バーは美味しいだけでなく、最適なコンディションで戦い続ける****ために必要な栄養素が完全に含まれている。

ギャンブル**
士官の朝食は僕達よりもだいぶ長い。彼らは僕達の食事が完全に終わってから自分たちの食事を始めてるんじゃないかと思うぐらいだ。いずれにせよそんなわけで、僕たちは彼らの目が届かない*****暇な時間を過ごすことになる。今日僕はハリスに勝負を挑んだ。ほとんどスカンピンになっていたハリスは、自分のラスガンすらも賭けに差し出そうとしていた。でもラスガンを2個持っていてもしょうがないので、代わりに僕は昨日バイトンから勝ち取ったパンツを賭け金にした。またしてもハリスは負け、僕たちはハリスの裸をうんざりするほど拝むことになった。

『連隊旗』紙を読む**
一日の中で最高の時間だ! 週に一度しか発行されないのが残念なぐらいだ。万が一『連隊旗』を読めない日があったとしたら、それはきっと皇帝陛下のお怒りを買ったせいに違いない。ああ、そうか、来週はこの原稿を読めるのか! 皇帝陛下の寛大さによって、我々はこの幸福な時間を過ごしているのだ。

射撃訓練**
アルマゲドンへ降下する際には必要な全ての物資が供給される******とタイ中尉は請け負ってくれているが、現時点ではパワーパックが不足しており、今日の訓練では実弾の代わりに「バン」と叫ぶよう指導された。ローズ教官は僕達が「バン」と叫んだあと、その射撃が命中したかどうか教えてくれる。そんなことが可能だなんて、彼の視力はきっとものすごく良いに違いない。アルマゲドンにも同行してくれればとっても心強いはずだ。

消灯**
皇帝陛下に奉仕する一日が今日も終わり、空は暗闇に包まれた。室内で灯りがない場合の暗闇とは異なり、皇帝陛下のお作りになられたこの夜空は、魂と星の輝きによって皇帝陛下の広大なる領域を示している。僕はランタンに残った僅かな明かりを使ってこの最後の章を書いている(アルマゲドンの空がこんなに暗くないと良いんだけど!)。明日の配備が楽しみすぎて今夜は眠れるかどうか怪しい。なにしろアルマゲドンだ! ヤーリック政治将校に会えるといいなあ! 明日は間違いなく僕の人生で最良の日になるだろう。

ありがとう、ジェンキンス。彼は召集中の兵士の生活を正確かつ冷静な筆致で綴ってくれた。

来週はジェンキンス二等兵に、惑星アルマゲドンで異種族の血を味わった感想について語ってもらうとしよう。

本日の思索:「無知こそは万全なる鎧なり」

* この表現には誇張がある。連隊内のエピストル人の中で読み書きができるのはジェンキンスだけだった。
** 士気への影響を鑑み、これらの記述には編集が施されている。
*** 物理的な座席は存在しない。
**** 帝国防衛軍兵士の想定戦闘時間は15時間である。
***** いかに放任されているように見えようとも、監視の目は常に光っている。
****** 帝国防衛軍兵士の平均弾薬消費量に基づき、戦闘地域での15時間の生存を想定して物資支給が行われる。


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コメント

  1. タリスマン より:

    更新待ってました!
    心なしかキムさんの国に亡命したジェンキンスさんにも顔が似てるようなw